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番組審議会とは

放送法に基づき、放送番組の適正を図るために外部有識者の声を聴く場として設置しています。
主な役割は、

・放送番組の適正を図るため必要な事項を審議する、
・放送局に対して意見を述べる

ことなどとなっており、番組審議会が取りまとめた「答申」や「意見」は放送局がこれを尊重して必要な措置を講じます。
また具体的な番組の視聴・聴取も行われ、放送局はその議論や意見交換を次の番組作りに役立てています。

審議委員名

委員長    磯 山 隆 幸(写真家)
坂 本   徹(北里大学 獣医学部 教職課程 教授)
八木橋 俊 夫(陸奥新報社 常務取締役 営業局長)
川 嶋 大 史(つがる市観光物産協会 会長)
平 間 恵 美(NPO法人はちのへ未来ネット 代表理事)
平 野 陽 児(東奥日報社 デジタル局長)
上 村 鮎 子(十和田乗馬倶楽部 代表取締役)
粒 来 和 成(デーリー東北新聞社 編集局次長 編成本部長)


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第655回番組審議会

青森放送では9月6日に第655回番組審議会を開催し、

ラジオ番組
『 伊奈かっぺい 消ゴムでかいた落書きから50年 』 
( 5月26日(日)21:00 ~ 22:00 放送 )を審議しました。

 
【番組内容】

地元の新聞社に入社してわずか半日で退職し、その後、履歴書を出した放送局には書いてある文字づらのユニークさだけで採用された・・・と自ら語るのは、元青森放送社員の伊奈かっぺい、本名・佐藤元伸。1947年、昭和22年、弘前市生まれ。テレビの美術の仕事をしながら自費出版した津軽弁でつづった詩集『消ゴムでかいた落書き』をきっかけにタレント活動を始めます。定年退職後の現在も青森放送ラジオのレギュラー番組を2本抱え、パーソナリティとして活躍中です。一方で、彼が会社員をしながらタレント活動をしていたことを知らないリスナーも増えてきました。

青森放送社員でありながらもNHKや他の民放局の番組に数多く出演し、定年まで勤めたのはなぜなのか? 今年77歳を迎えた彼に、伊奈かっぺい流の津軽弁の使い方や、楽しいことしか記録として残さない理由についても、あらためてうかがいたいと思いました。

デビューのきっかけとなった詩集『消ゴムでかいた落書き』が世に出てから50年。伊奈かっぺいのラジオならではの話芸を通して、これまでの半生を振り返る番組を制作しました。



出 演:伊奈かっぺい 

ききて:伊東幸子

審議委員からの感想・意見

  • ただただ面白かった。言葉の達人であり、絶対的な安心感がある。日本昔話が思い浮かぶような語りが優しくて心に染みる。津軽弁がわからない人も楽しませる面白さ。物事の真理を突く巧みさと軽妙なトークだけでなく、歌や詩にも真骨頂がある。かっぺいさんの話術をアカデミックに分析した時の本人の反応を見てみたい。もっと「素」のかっぺいさんを知りたいという欲が出た。
  • 50年にわたる活動がわかりやすかった。3分に1度は笑わせてくれるので飽きずに何度も聞くことができた。面白いだけでなく、優しさ・重み・深みが言葉の裏側に感じられる。大友寿郎さんの合流で一気にアットホームな雰囲気になり、会話の中に2人の良い時間の積み重ねを感じた。地元の言葉・文化を大切にしながら、ローカルタレントとして活躍した先駆者であり、かっぺいさんの地元愛が伝わってきた。
  • 大変楽しく聞いた。あっという間の60分だった。マルチな才能としか言いようがない。両親との早い別れの悲しみがあるからこそ、言葉に深さが宿っていて多くの人から長い間愛されてきたのだろう。伊東アナが幼い頃に、かっぺいさんのステージを見ていた経験談が生きていた。かっぺいさんの同志ともいうべき大友さんの登場や引き出し方も良かった。「(人気が出て売れたことによる)社内でのやっかみの声はなかったのか」というくだりも面白かった。
  • 面白すぎて何度聞いても聞くたびに新しい発見があって楽しかった。「青森で生きて、青森を伝えたくて、青森のために生きているのだ」と番組で知ることができて、より魅力を感じている。青森放送での社員生活や半世紀の社会の動きの中で、時代の流れとずっと一緒に歩んできたが根源はまったくブレていない。時代を超越する作品の面白さに「青森の息吹・風」を感じてグッときた。言葉に対する興味とワクワク感を抱かせる話術は非常に真面目で大切だ。青森放送という帰る場所があったからこそ、好きなことを全うできたという話に納得した。「手段のために目的を選ばない」という表現がすてきで、名言だと思った。
  • かっぺいさんの作品は数多く購入して内容を把握している。自分の中では「師匠」と仰ぐほどの存在で、若い頃に最も影響を受けた。かっぺいさんのおかげで津軽弁のコンプレックスが消えた。津軽弁を全国的に分かりやすいスタンスで広めた初めての人だと思う。他県出身で津軽弁をあまり理解していない伊東アナに合わせて話していく構成は、かっぺいさんの人生を客観的に捉えてくれたので正解だった。要所要所で良いエピソードを聞くことができた。
  • マルチな才能・全国区の活躍・レジェンド的存在。かっぺいさんの半生を振り返る企画にとても興味が湧いた。実直で真面目で気さくな人。華々しい活躍しか知らなかったが、「楽しいことしか書かない」…その裏には若くして両親を亡くした悲しみがあることをこの番組で知り、歌や詩を聞くと身が震える思いがした。改めて番組企画をありがたく感じた。サラリーマンとしての誇り・津軽のじょっぱり精神も尊敬できる。伊東アナのやわらかいアプローチ・控えめで淡々とした進行が番組を引き締める効果となり、とても良かった。
  • 最初の頃はまったく津軽弁がわからなかったけれど、「やたら面白い」と若い頃から思っていた。本当にユニークで、面識がなくても勝手に親しみをもってしまう。かっぺいさん流の「遊び」は完全に芸の域に達していると感じる。言葉に対する大いなる愛情やこだわりがあるからこそ遊べるのだろう。津軽弁とその笑いの中に津軽人の気質・人情が非常に深く織り込まれているので感動を与え続ける。人を大事にする人柄・豊かな感性にあふれているので、初めて作品にふれる人も何度も聞いている人も、いつも引き込まれるのだろう。笑いのあとに出てくる、しんみりとした詩には心を打たれる。かっぺいさんの前向きに進んでいく姿勢が解説なしでも伝わってきたのは番組の良さである。
  • 非常に多才な人で、それなりに苦労はあったと思うが、苦労と思わずにプラスに転換しネタに変えていく「話芸」を実感した。かっぺいさんの言葉がきちんと印象に残る作りの番組で、50年の大事なエッセンスを1時間にすべて盛り込んだのは見事。構成も編集も良く、マイペースな伊東アナの存在も圧巻。津軽弁をよく知らない彼女に合わせながら、かっぺいさんが話す流れが効果的。控えめにバックボーンを支えるような大友さんの位置付けにも構成の巧みさが光った。標準語と津軽弁をうまく組み合わせながら、知らない人に段階ごとに津軽弁を教えていくのが非常に面白い。かっぺいさんの津軽弁は独特のリズムがあって一種の音楽のようにも感じられる「別格の津軽弁」だ。
次回の番組審議会は10月中旬を予定しています。

過去の番組審議会