2026年日本民間放送連盟賞
ラジオ生ワイド部門 最優秀賞
『らじ丸にっち!~聴かて!カセットテープの声~』
生放送のスタジオに1本のカセットテープが持ち込まれました。ゲストの高坂友衣が中学生のとき初めてコントを吹き込んだテープです。これをRABラジオの番組に送り放送されたのがきっかけで、お笑いコンビが結成されたといいます。この思い出話が発端となり、カセットに残されたさまざまな声を募集することになりました。 事前に応募があったリスナーにはリポーターがラジオカーで訪問。当日持参したいリスナーは公園駐車場に集まるようスタジオから集合場所が発表されます。次々と集まったカセットからは想定をはるかに超えたユニークな声が流れてきますが、初めて聞く他人の声なのに、なぜかその情景や姿が思い浮かんできます。 審査では「カセットに残された声や記憶を掘り起こす着眼点が秀逸で、そこに宿る人生や家族の物語に引き込まれる。カセットを持参したリスナーを駐車場に集めクラクションで反応を聞く演出など、生ワイド番組ならではの臨場感が賞賛」されました。
2026年5月10日放送
2026年日本民間放送連盟賞
ラジオ報道番組部門 優秀賞
『RABラジオ特別番組 そして未来へ~演じてつなぐ青森空襲~』
戦後80年となった去年、青森中央高校演劇部が2015年から毎年7月28日に上演してきた青森空襲の創作劇「7月28日を知っていますか?」は、高校演劇の全国大会と日程が重なり、在校生が出演できなくなりました。代わって舞台に立つことになったのは、全国に散らばる14人の卒業生たち。 当時、脚本を書いた是川詩乃(27)は改めて青森空襲の体験者を訪ね、当時の証言に耳を傾けます。防空壕での恐怖、家族との別れ、市民に避難を禁じた防空法・・・。出演者たちもそれぞれの立場で戦争について再び考え始めます。上京し役者を目指す人、事務職に就き演劇から離れていた人、一児の母になった人。高校時代には理解しきれなかった空襲の記憶が、それぞれの胸に響いていきます。 「演劇部OGの一人称の語りを軸に、記憶の継承に向き合う姿を描いた構成が見事。演劇部の真に迫る演技が番組に厚みを与え、音声メディアならではの想像力が掻き立てられる作品として、強い印象を残した」と評価されました。
2026年5月24日放送
2026年日本民間放送連盟賞
ラジオ教養番組部門 優秀賞
『ときをつなぐ街 ~十日市秀悦と浅虫のひとびと~』
八戸市出身の十日市秀悦(67)は東京で役者をしながら、ラジオの出演で青森に通っています。彼には訪ねたい場所がありました。小学生のころ担任と親友と3人で訪れた青森市浅虫です。しかし60年振りに降り立った浅虫は大きく様変わりしていました。街を歩きながら、十日市は浅虫で地域おこしが行われていることを知ります。その中心となっているのが、都会からUターンした若者たちです。彼らの話を聞きながら、自分が実家の食堂を継がなかった若い頃の記憶が蘇ります・・・。 生まれ育った往年の繁華街、八戸市長横町の衰退を悔やむ十日市の視点を通し、浅虫で世代を越えてつながる人々の群像を描いた録音構成番組です。 「十日市さんの方言混じりの語りが浅虫の情景を浮かび上がらせ、町おこしにかかわる人々の思いが伝わってくる。住民が誇りに思うことを観光資源につなげようとする活動を丁寧に描くことで、人口減少が続く地方に対する力強いメッセージになっている」と評価されました。
2026年5月24日放送
2026年日本民間放送連盟賞
ラジオエンターテインメント番組部門 優秀賞
『80歳のダイヤモンド』
音楽番組で一晩限りのパーソナリティを務めるのは、カラオケを楽しむ「懐メロを偲ぶ会」の木村三成さん79歳と舘田勝男さん82歳。木村さんが昨夜ジルバを躍った曲でスタートし、昭和30年~40年代の名曲の数々を紹介します。そしてその合間に、二人の半生が語られました。 7人兄弟の舘田さんは集団就職を経験していました。「就職列車」で都会へと出た舘田さんたちは当時「金の卵」と呼ばれたといいます。 一方の木村さんはこの春、傘寿(80歳)の野球リーグを立ち上げました。90歳の現役ピッチャーもいるということで話題になり、第1回の大会の様子を実況録音で紹介しました。しかし、まもなく80歳になる木村さんにはさらなる夢がありました。 「プロではない80歳前後の二人が方言を交えて歩んできた人生の軌跡を語り合い、音楽番組を進行する。その様子はスムーズで無駄がなく、作り手の構成や演出の技術がうかがえる。シニア世代に向けたラジオ番組の可能性を感じさせる」と評価されました。
2026年5月31日放送