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番組審議会とは

放送法に基づき、放送番組の適正を図るために外部有識者の声を聴く場として設置しています。
主な役割は、

・放送番組の適正を図るため必要な事項を審議する、
・放送局に対して意見を述べる

ことなどとなっており、番組審議会が取りまとめた「答申」や「意見」は放送局がこれを尊重して必要な措置を講じます。
また具体的な番組の視聴・聴取も行われ、放送局はその議論や意見交換を次の番組作りに役立てています。

審議委員名

委員長    磯 山 隆 幸(写真家)
坂 本   徹(北里大学 獣医学部 教職課程 教授)
八木橋 俊 夫(陸奥新報社 常務取締役 営業局長)
川 嶋 大 史(つがる市観光物産協会 会長)
平 間 恵 美(NPO法人はちのへ未来ネット 代表理事)
平 野 陽 児(東奥日報社 デジタル局長)
上 村 鮎 子(十和田乗馬倶楽部 代表取締役)
粒 来 和 成(デーリー東北新聞社 編集局次長 編成本部長)

※ 上村委員は意見書面提出での出席

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第651回番組審議会

青森放送では4月8日に第651回番組審議会を開催し、


RABニュースレーダー特別番組

不屈の果実~りんご生産現場の奮闘物語~ 』 

( 3月23日(土)16:00 ~ 16:45 放送 )を審議しました。


また、放送法第5条に基づいて定めている「青森放送番組基準」の一部変更を2024年4月1日に施行、並びに、
ホームページに掲載し公表したことを報告しました。今回の変更にあたっては、同法第6条第3項に基づき、昨年11月の第647回番組審議会に諮問し、「妥当である」との答申を得ていました。
 


【番組内容】

来年150周年を迎える青森県のりんご栽培は、生産者の高齢化や後継者不足など、さまざまな問題に直面している。専門家は「大きな曲がり角にきている」と言う。りんご産業を未来につなげようと奮闘している生産現場をりんご農家出身の記者が取材した。

弘前市のりんご生産者でシードル製造もしている高橋哲史さん(50)は、生産者がどんどん減っている現状に危機感を抱いていた。「このままでは津軽地方の経済が大変なことになってしまう」と、2018年から社員を受け入れ、生産者の育成に努めている。

省力化のカギを握ると言われる新しい生産手法の「高密植栽培」も、苗木不足で期待ほどには普及していない。苗木を作るのに通常の1.5倍の3年がかかるためだ。  苗木をつくっている青森市の原田寿晴さん(54)は、供給量を増やすため青森県より暖かく雪の少ない宮城県で試験栽培を始めた。

平川市の生産者・工藤峰之さん(40)は、県りんご品評会で高い評価を得ている。若手が競わないと生産技術が未来に繋がっていかないと危機感を抱く。

番組では日本一のりんご王国青森県の現状と課題を伝える。

審議委員からの感想・意見

  • どの業界も後継者不足だと思っていたが、りんご産業は「大丈夫だろう」と認識していたので、数々の問題提起をするオープニングから引き込まれた。シードルの製造・高密植栽培・りんごの品評会等で頑張っている人たちの声や映像が多く、心に響いた。勉強になった。
  • 問題提起をしているが重苦しい感じはなかった。多くの青森県民と共有していかなければならないと思った。りんご栽培が、やがて北海道が主力になるかもしれないという話は「危惧」ではなく「警告」なのだと感じた。全体的に構成のバランスも音の使い方も良かった。
  • りんご産業の厳しい局面を知らしめた。来年りんご栽培150周年を迎えるタイミングで、これまでの歴史を振り返ることは非常に大事。對馬記者のナレーションは大正解。伝える側の思いが強まった。自身の状況や思いを、もっと番組内に絡めても良かったのではないか。今後も伝え続けていってほしい。
  • 生活に溶け込んでいるが故に十分理解していなかった、りんご生産現場の「今」を伝えてもらったのは意義深い。付け焼き刃では伝えきれない使命感も感じとれた。記者の顔が見えるようなドキュメント番組。kimoriの高橋さんが言った「地域のための問題提起」という言葉に覚悟を感じ感銘を受けた。品評会での親子の会話や情景は心和む、すてきな場面だった。
  • りんごのおいしさの向う側にある大事なものを教えてくれた。素朴で朴とつとした語りも非常に良かった。ナレーターや母親の顔も見たくなった。苗木栽培で高校生に指導する場面をもう少し掘り下げれば、原田さんの人柄がもっと見えてきたかもしれない。分かりにくいテロップ表示があったので、統一感をもたせるとストレスなく視聴できるだろう。りんご農家をずっと見てきた人でなければ作れない非常に良質な番組だった。
  • 旺盛な取材力と非常に丁寧な番組作りに感心した。後継者不足によるりんご生産者の危機感が大きなインパクトであり取材記者の出自を明かして番組を進行した事がポイント。親近感が湧いた。高密植栽培の苗木作りに3年を要するのは驚いた。同時にニュース性も感じた。
  • 青森県のりんご産業に関する深い理解が得られた。りんご農家に生まれた記者が語り手となっているからこその効果。
    地域に向き合い、次世代につなげる努力が感じられる番組作りで、大きな感銘を受けた。
    「青森りんご愛」を感じずにはいられない番組で、生産者たちの未来にも注目したいと思わせる番組。
  • 映像の編集が良く、各項目でのコメントが効果的に編集されている。見る側に訴求力と説得力をもつ。テーマである「不屈の果実」の理念が伝わってくる。問題が多い中でも「新しいりんご栽培」に期待がもてる。「人間くさい」番組に仕上がっており、見ていて心地良い。ナレーションの扱いが良く、映像のメリハリの効いた骨太の報道ドキュメンタリー。「良質の物語」番組だ。