RAB青森放送
2024年度 受賞作品のご紹介

テレビ
民間放送教育協会2024年度 「日本のチカラ」番組選奨
第一交通産業賞

「かさいのかっちゃ~青森発!小さな町のなんでも屋~」
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日本海と白神山地に囲まれた青森県鯵ヶ沢町赤石地区に、地区唯一のスーパーマーケット「スーパーかさい」はあります。64年間地元の人に愛され続けるこの店を切り盛りするのは二代目店主の葛西姫子さん。朝早くから総菜を作り午前7時半に店を開くころには売場をいっぱいにします。
一人暮らしの高齢者が多いことから買い物に来られない人のために配達を行っているほか、送迎も行う葛西さん。総菜作り、店番、配達といつも店の中、そして地区を走り回っています。赤石地区で暮らすみなさんにとっても「スーパーかさい」はなくてはならない場所です。
60年以上この地区に暮らす松山さんは葛西さんとのおしゃべりが楽しみ。店に来ると買い物をする前にレジ前に座って葛西さんとおしゃべり。一人で暮らす松山さんにとってはスーパーマーケットである以上に「心のよりどころ」となっています。
足が悪くて買い物に行くことができない内山さんは葛西さんが作る特売のチラシを毎回心待ちにしています。チラシを見て電話で注文すると昼食時間に合わせて持ってきてくれ、温かくておいしいお昼ごはんは幸せのひと時です。
「お母さんがいないとワだぢ(私たち)死んでまるよ」そう語るのは週に何度も店を利用している世永さん。花が大好きな世永さんは春になると庭に植えるための花を毎年買いにきます。送迎をしてくれる葛西さんなら大好きな花を好きなだけ買うことができるのです。
この60年間で地区の人口は3,500人以上減りました。人口減少に加えて車で10分ほどの隣町には大型スーパーが次々出店。「スーパーかさい」のお客さんは年々減り、売上は落ちてく一方。それでも雨の日も吹雪の日もこの地区で暮らす人たちのために走り続ける葛西さん。地区で暮らすみなさんが自分を頼ってくれること、そして「ありがとう」と声をかけてくれること。それこそが葛西さんの背中を押してくれます。
青森県の小さな町できょうも温かい地域のつながりを大切にしながらスーパーマーケットを営むお母さんの物語です。
2024年7月1日放送