番組審議会

番組審議会とは

放送法に基づき、放送番組の適正を図るために外部有識者の声を聴く場として設置しています。
主な役割は、

・放送番組の適正を図るため必要な事項を審議する、
・放送局に対して意見を述べる

ことなどとなっており、番組審議会が取りまとめた「答申」や「意見」は放送局がこれを尊重して必要な措置を講じます。
また具体的な番組の視聴・聴取も行われ、放送局はその議論や意見交換を次の番組作りに役立てています。
第634回番組審議会

青森放送では、7月に第634回番組審議会をリモート形式で開催し、委員8人、社側7人が出席、ラジオ番組「カエレナイ街から~翔子さんと実穂さんと私たち~」(5月29日放送)について審議しました。

【番組内容】
宇佐美翔子さんと岡田実穂さんは、青森市内でカフェバー「そらにじ」こと「Osorani Niji wo Kake Mashita(お空に虹を架けました)」を営みながら一緒に暮らしています。2014年に同性パートナーとして婚姻届けを出しましたが、受理はされていません。当時は、まだ東京でも同性パートナーシップ条例の制定や同性婚訴訟がない時代でした。その後、全国的にLGBTということばが流行語のように使われ始め、その4文字を掲げて性的少数者への理解をアピールする一部の行政や報道が目に付くようになります。2017年RABラジオの生放送に出演した二人は「性的少数者が街を歩いてアピールするレインボーパレードを3年前の2014年から青森でも開催している」と説明しました。性的少数者の活動をラジオで伝えたいと考えていた私たちは2016年からパレードを取材しており、その様子を一緒に生放送の中で振り返りました。その後、二人は見えない被害者たちのための活動を続けます。しかし、同性パートナーシップ条例のない青森で生活する二人に、越えることのできない大きな困難が立ちはだかります。この番組は、LGBTなどの用語に頼らずに青森で暮らす二人の生活を伝えることによって、当事者が抱える問題をリスナーと共有したいと考え制作しました。

審議委員名


委員長    磯 山 隆 幸(写真家)
坂 本   徹(NPO法人日本人財発掘育成協会理事長)
八木橋 俊 夫(陸奥新報社 常務取締役 営業局長)
川 嶋 大 史(つがる市観光物産協会 会長)
平 間 恵 美(NPO法人はちのへ未来ネット 代表理事)
平 野 陽 児(東奥日報社 デジタル局次長)
上 村 鮎 子(十和田乗馬倶楽部 代表取締役)
粒 来 和 成(デーリー東北新聞社 編集局報道本部長)
     




審議委員からの感想・意見

  • 7年にわたり取材したラジオドキュメンタリー。制作者の報道姿勢に拍手を送りたい。人権やプライバシーにも配慮していた。
  • 性的マイノリティーの人たちを理解し、寄り添っていたつもりだったが、いろいろなことに気づかされた。よくできた有意義な番組だ。
  • ナレーション、構成がすばらしく感動した。通りいっぺんの取材では聞けない話がつづられていた。
  • 本気で寄り添った取材だからこそ、本音を引き出していた。タイトルに「私たち」とあるように、リスナーも一緒になって考えさせられる番組。
  • 涙なくして聞くことができなかった。登場人物たちの複雑な感情が湧き上がってきて、心がかき乱されるようだった。
  • 音声が臨場感にあふれていて、登場人物の思いを共有したような気持ちにさせてくれる良質な番組だ。
  • 登場人物の気持ちや表情までもが、静かに深く心に入ってくる、とてもいい番組だった。
  • 母親にカミングアウトし拒絶されたエピソードや、パレードでがんを告白する場面などは胸にくるものがあり、最後まで引き込まれた。
  • 淡々と進行する中で、言葉の重みがとても伝わってきた。パレードでの「ここに生きています」という訴えが心に突き刺さった。