【特集】近い将来「消滅する可能性」がある自治体に含まれなかった青森県内5市町村の取り組みは 

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青森 2024.04.25 18:17

きのう人口減少で近い将来「消滅の可能性がある」とされる県内の自治体が35市町村と発表されました。
一方でこれに含まれなかったのが三沢市や田舎館村など5つの市町村です。5市町村から学ぶべきことは、そして発表をどのように捉えたらいいのか専門家に聞きました。

民間の「人口戦略会議」は20代から30代の女性が30年間で50%以上減るという推計を根拠に消滅自治体を発表しました。一夜明け宮下知事は…。

★宮下知事
「食い止めるために何をしなくてはいけないかということが大事 その点これから発表する『青森モデル』合計特殊出生率『2』に向けたプログラムとして少子化に歯止めをかける子どもが増えるシナリオをどうつくっていくかがまずは大事だと」

「消滅する可能性」に含まれなかったのが三沢市と西目屋村、田舎館村と六戸町、おいらせ町です。
三沢市と六戸、おいらせ町は空港や新幹線の駅にもアクセスが良く第2みちのく有料道路も通っています。

三沢市では子どもの遊具と子育ての手続きができる窓口を設置した交流施設「そらいえ」を作るなど妊婦や子育て世代が安心して住める環境づくりに力を入れています。

六戸町は三沢市に近い小松ヶ丘地区に多くの若者世代が住宅を建てています。新築住宅の建設費の補助に加え、子育て世代への各種補助を手厚くしています。

おいらせ町は巨大な商業施設イオンモール下田が人を呼び込む核となり、子育て支援のイベントも開かれています。また町は保育料や給食費の無償化などにいち早く取り組みました。

★おいらせ町民
「お出かけできるところに楽しいイベントとかあると子どもたちも刺激があってよいかなと思います」
Q子育てしやすいですか?「そうですねしやすいと思います」

★おいらせ町 成田隆 町長
「保育料の上限を設定したり、もちろん給食費の無償化いろいろな部分で子育て対策地域に対する転入の転住者に助成金を出したり、そういうことが若い人たちに好評を得ているのかなと」

西目屋村は子育て世代に分譲地を無料で提供。田舎館村も民間の分譲住宅地に若い世代が移り住んでいます。ともに弘前市に近くて交通の便が良く子ども医療費を無料にしています。

★西目屋村 桑田豊昭 村長
「子育て支援も力を入れておりますのでそれにつながって来られる方も多いのでそれがいちばんの要因と思っています」

専門家は…。

★東京都立大学 山下祐介 教授
「こうやったら若い人たちが根付いて安心して子育てできるという状態をつくる政策は小さい自治体のなかで見えてくるのではないか リーダーシップを国がとるよりも小さな自治体を大きい自治体や県がしっかり応援する 県内の都市部と町村部との連携をしっかりやりながらどんな風にしたら子育て、教育そして最終的には東京に出るかもしれないけど、また戻ってきてという人の流れが出来るのかということをしっかり考えることなのかなと思います」

その上で…。

★東京都立大学 山下祐介 教授
「子どもの数 考えた時に夫婦でもう1人ほしいけどお金のことを考えると、みたいなことが(なくなり)(子どもが)1人増えるだけですべて解決する 本当に小さなすれ違いみたいなことで起きていると考えたほうが良い 一喜一憂しないだけでなくもっと前向きに解決するんだという姿勢が必要」

消滅自治体の発表で悲観するのではなく、人口減少対策をさらに推進するためのきっかけと捉え、取り組みを加速させることが重要です。