「真摯に対応したい」牛舎事故で死亡した男子高校生の遺族が当時の実習助手や県を提訴へ 青森県十和田市

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青森 2025.05.26 20:10

十和田市の農業高校の牛舎で当時の男子高校生が大けがをしたあと亡くなった事故を巡る動きです。
遺族が県と実習助手だった男性に損害賠償を求めて来月、提訴することが分かりました。

この事故は2021年に三本木農業高校で2年生だった八戸市の水野歩夢さんが牛舎で実習をしていたところ、男性の実習助手が牛を追い払おうとした農具で頭に大けがをして意識不明の重体となりました。
その後、水野さんは自宅で療養を続けていましたが、去年3月亡くなりました。

事故を巡っては、実習助手が業務上過失傷害の疑いで書類送検されましたが、検察が去年2月嫌疑不十分で不起訴処分としています。
一方、専門家でつくる事故調査委員会は最終報告書で、生徒の安全を確保するなどの学校の安全対策が不十分だったことが事故の最大の原因としています。

遺族の代理人弁護士によりますと、実習助手が農具を振り下ろした危険な行為や学校による組織的な安全対策が不十分だった点などが事故につながったとして、男性と学校設置者の県に対して損害賠償を求めて来月、青森地方裁判所に提訴するということです。

県教育委員会は「提訴の内容を確認して真摯に対応したい」としています。