【暑さ】義務化される“職場での熱中症対策” 現場の受け止めと取り組みは?症状が出た時の速やかな対応方法を聞いてみた
来月1日から全国で職場での熱中症対策が義務化されます。
怠った場合には罰則もあるなどの改正を、現場はどう受け止め、対策を行うのでしょうか。
ことしも暑い夏が予想される県内。
今月20日に仙台管区気象台が発表した3か月予報によりますと、6月から8月の平均気温が高い予想となってます。
熱中症対策は職場にも。
来月1日から施行される改正労働安全衛生規則によって、事業者に職場の熱中症対策が義務化されることを受け、きょう青森労働局が説明会を開きました。
厚生労働省によると、職場における熱中症による死亡災害は2年連続で30人レベル。
熱中症は他の災害と比べると、5から6倍ほど死亡に至る割合が高く、そのほとんどが初期症状の放置や対応の遅れであることから、現場での早急な対応の重要性をあげています。
★青森労働局 角井伸一 局長
「事業主・企業側が対策を練るというのは非常に重要だと思います。一方で労働者側も、もっと積極的に体調が悪いなと思った時に、私(体調が)悪いんですよって言えるような職場環境、これが重要だと思います」
青森市内の工事現場を訪ねてみると・・・
★青森放送 板橋優磨キャスター
「こちらの工事現場では熱中症対策を呼びかける垂れ幕があります。そして安全掲示板のすぐ隣目立つところには、熱中症指標ランクというものがあります。これは今シーズンから掲げられたものだそうです」
熱中症対策で活用されるのは、WBGT値と呼ばれる「暑さ指数」で、気温のみならず湿度や日射風速などが考慮されています。
こちらの建設現場では、WBGT値ごとの独自の労働基準をまとめていました。
今回の改正の対象は気温31度以上やWBGT値28以上の環境で、連続1時間以上か1日4時間以上の作業を行う事業者です。
対策を怠った場合、6ヶ月以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金が科されます。
★青森放送 板橋優磨キャスター
「エアコンが完備されているこちらの休憩室では、冷水機製氷機があります。そしてその上には塩分のタブレットもありますね」
この日の青森市は最高気温が17.2度と平年を下回りましたが、すでに休憩室には水や塩分が確保されていました。
★青森放送 板橋優磨キャスター
「休憩室にもあります熱中症対策のための作業指針、しっかりと可視化されていますけれども、現場ではどう判断するんですか」
★藤本建設 建築部 奈良岡慎也課長
「このような暑さ指数の測定器を各グループのリーダーに持っていただいて判断しております」
労働者が現場で危険を判断できるように、気温や湿度とともに熱中症指数が表示される測定器を配布していました。
危険度が高まるとアラームが鳴るものもあります。
そのほか屋内での作業でこもる熱気を換気する扇風機に、タンクに水を入れ微細な霧で噴射するミストファンなどが用意され、スイッチを入れるとファンが回り外気を取り込む空調服が、社員に配布されていました。
★藤本建設 建築部 奈良岡慎也課長
「これから暑くなりますけれど熱中症患者を出さないように、今まで決めたことをしっかり守って進めていきたいと思います」
青森消防本部の救急チームは、現場での速やかな対応が命を救うことにつながると話します。
★青森消防本部 警防課 田中康喜 消防司令補
「熱中症の症状にまず気づいたときは、まずは涼しいところに移動させて衣服を緩めて休ませてあげてください。あとは氷とか冷たいタオルで首ですとか、あとはわきとか足の付け根、こちらを冷やしてあげると効果的です」
ことしも予想される暑い夏。
来週から職場での熱中症対策が義務化されます。