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「全国初の部活」が活動中! 神山まるごと高専【徳島】(徳島県)



起業家の育成を目指し、2023年に神山町に開校した私立高等専門学校「神山まるごと高専」。

この学校に2024年、日本唯一の部活が発足したということで、その活動を取材しました。

開校から2年が経った神山町の「神山まるごと高専」。

現在、15歳から18歳までのおよそ120人の学生が起業家を目指し、プレゼン力や創造力を高める授業を受けています。

ここに2024年4月、全国初となる部活ができたということで、学生に話を聞きました。

(記者)
「すみません、ここに全国初の部活があるって聞いたんですけど」

(Podcast部 2年・北尾光さん)
「そうです。私その部員です」

(記者)
「その部活って、どんな部活ですか?」

(Podcast部 2年・北尾光さん)
「そうですね。多分どこを探してもないような部活になってると思います」

(記者)
「今から、案内してもらってもいいですか」

(Podcast部 2年・北尾光さん)
「はい! もちろんです」

2年生の北尾光さん16歳。

同級生2人を連れて、寮がある校舎へ向かいます。

(記者)
「こちら、放送部ですか?」

(Podcast部 2年・北尾光さん)
「いえ、これは、神山まるごと高専のPodcast部です」

(Podcast部)
「いぇーい」

ポッドキャストとは、音声ファイルをインターネット上で配信するメディアのことです。

ラジオとの違いは、放送権が必要ないことや、自らが再生ボタンを押さないと聞けないこと、そして生放送ではないことなどがあげられます。

「神山まるごと高専・Podcast部」は、2024年4月に創部。

現在は1年生から3年生の学生20人ほどが所属し、個人や小グループなどで8つの番組を制作。

学校生活や関心のあるテーマなどについて、配信を続けています。

外部顧問を務めるのは、企業向けの音声コンテンツの制作などを手掛ける会社、「雑談」の代表・渋谷優さん42歳。

部員らは、配信した番組のフィードバックを受けながら、ポッドキャストのノウハウを学んでいます。

(雑談・渋谷優 代表)
「部活動としてポッドキャストって、成立し得るんじゃないか?みたいなことを自身の番組で話したところ」
「たまたまリスナーさんに、神山まるごと高専のスタッフの方がいらして」
「ぜひ一緒に何かしませんかって立ち上がったのが、国内初の神山まるごと高専のポッドキャスト部になる」

番組リスナーで、渋谷さんにメッセージを送った、顧問の村山海優さんです。

(神山まるごと高専 Podcast部顧問・村山海優さん)
「学生にまずは声をかけて、やりたい人って言ったら10人ぐらい興味ある人が集まってくれて」
「(学生が)自分たちで課題を見つけて解決して、最初にこれやろうって決めて」
「やってみてダメだったね、 次どうする?みたいなのを(この1年)本当、繰り返し繰り返しやってきてくれた」

この日は、北尾光さんら4人による番組「まるごと放送室」の収録にお邪魔しました。

(Podcast部 3年・中本慧思さん)
「こんにちは!ただの高専生が、ただの日常に、ただの飾らない声を届ける、まるごと放送室です」

(Podcast部 2年・石原歩真さん)
「神山まるごと高専という、特殊な環境に身を置く学生たちの」
「インタビューだけじゃわからない、リアルを本物の学生がお届けします」

(Podcast部 3年・中本慧思さん)
「きょうは、何を話しますか」

(Podcast部 2年・溝渕晃大さん)
「きょうは、インド振り返り回」

今回は、1年生の時に行われる「インドでの海外研修」をテーマに、約40分間の収録を行いました。

(Podcast部 2年・溝渕晃大さん)
「インドってGDPの伸びがすごいんだけど、伸びる中で今、いろんな物が積みあがっていく時期」
「日本で言う高度経済成長期みたいな、その中でしか生まれないイノベーションとかもたくさんあるだろうし」
「ということを踏まえてその環境を見ていくと、『気付きがすごく多い場所だったな』っていうのは個人的に感じました」

北尾さんは、インドのスラム街での出会いから感じた想いをマイクに乗せます。

(Podcast部 2年・北尾光さん)
「私たちが関わった子だけでも、幸せになってほしいなって思う自分がいたこと」
「好きな人と結婚して、好きな職に就きたいとか、希望に満ち溢れたことを言っている子もいて」
「普通ならそういう子たちって、そういうことすら許されていないんだけど」
「私がそうやって話した子だけでも、本当にそうなれる世界であってほしい」

番組の最後には、3年生の中本慧思さんから、神山まるごと高専生ならではのサプライズ発表がありました。

(Podcast部 3年・中本慧思さん)
「俺、面白い物作ったんだよ。これ『放送室』っていうアプリ、これでみんな『まるごと放送室』ができるんですよ」
「こんにちは、ただの高専生が、ただの日常に飾らない声を届ける、まるごと放送室です」
「(作るの)めっちゃ難しかった」

このアプリの制作期間はたったの2日間、アプリ内の録音機能と音源を使えば誰でも「まるごと放送室」風の番組収録ができるということです。

収録後、渋谷さんからは活動2年目へのアドバイスが送られました。

(雑談・渋谷優 代表)
「どうやって続けていくかとか、モチベーションをどこに持つかみたいな」
「きっと今、みんなの中でぼんやりと課題になっているんじゃないのかな」
「どう続けていくかみたいなものは、仕組みを作れば良いと思う」
「その仕組み作りが、2年目の課題だし」
「そこを一緒に考えていけたらなと思っているので、これからも良い番組を期待してます」

(Podcast部 2年・北尾光さん)
「モチベーションの維持がとても難しくて、どの回で話すかとか、誰に届けたいかとか」
「そういう目的みたいなのが、見失いがちなんですけど」
「1年前のやるぞ!という気持ちに戻って、再構築していけたらなと思っています」
「私の声で神山まるごと高専自体を知って、そこから受験を目指すみたいな」
「それぐらい影響力とか、原動力になれるような存在になりたい」

活動2年目に入った、神山まるごと高専Podcast部。

これからの彼らの活動に耳を傾けたい!

神山まるごと高専によりますと、Podcast部の配信を聞いたことがきっかけで、2025年4月に入学した学生もいるとのことです。

これからもリスナーに影響を与えられるような素敵な配信を続けてほしいですね。

(05/07 18:22 四国放送)

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