■県内でも感染者が増加「百日せき」 注意点は?【徳島】(徳島県)
今、全国的に、そして県内でも感染者が増えている「百日せき」についてです。
全国での感染者は、4月27日時点で1万1921人となりました。
これは2024年、1年間の累計の約3倍となっています。
また、県内でも2024年、1年間で42人だったのに対し、5月9日の午後5時に出た速報値では93人となっていて、こちらも2024年、1年間の感染者を超えています。
5月9日の午後5時に出た速報値
そもそも、「百日せき」ってどんな病気なのでしょうか?
「百日」が病名につくことから長いこと咳が続くんでしょうか?
そうなんです。
まずおよそ2週間、風邪の症状、特にせきが出ます。
鼻水を伴うこともあります。
その後、2週間から3週間、この病気特有の、「出だすと止まらない連続した発作的なせき」が起こります。
そして、せき発作がおさまる回復期が2週間から3週間。
感染してから回復するまでに、2か月から3か月かかります。
せきを繰り返すことで、あばらの骨を折るケースも報告されています。
風邪に似た症状なので、気づかないうちにかかっていたというケースも考えられそうですね。
なぜ、今急増しているのか?県内の状況について、そして感染したらどうすればいいのか話を聞きました。
長期間、激しい咳を伴う百日せき。
全国、県内での感染状況は過去と比べてどうなっているのでしょうか?
(県感染症対策課・佐藤 健司 課長)
「コロナが始まる前の令和元年が日本全国的にピークで、1万6850件」
「コロナ感染対策が緩和されて以降、令和5年が1000件、令和6年が4054件、令和7年が4月20日現在で9336件、徳島県内でも同様の傾向」
「報告のあった66件のうち、10歳代以下が56件となっていて、全体の8割を占めている」
インタビュー時は、5月7日時点での数字でしたが、9日の午後5時に発表された最新の情報で、県内の年代別の感染者は10代と10代未満があわせて81人で、変わらず若い世代での感染が高い比率を占めています。
なぜ10代で感染が広がっているのか?
県医師会で感染症対策を担当している、田山正伸医師に聞きました。
(県医師会 感染症対策担当・田山 正伸 医師)
「10歳代がなぜ多いかというと、ワクチンがある病気だから」
「ワクチンをするのがだいたい1歳前から、1歳すぎまでにだいたい終わる」
「ワクチンの効果が切れてくるのが、だいたい小学校高学年ごろからの後なので、10歳代が多い」
また、流行の背景には、新型コロナがあると話します。
(県医師会 感染症対策担当・田山 正伸 医師)
「コロナの影響で、感染対策をしたマスクの着用など、いろいろなことをした」
「それぞれの年代の免疫力が落ちたので、いろんな病気が大流行してしまっている」
「百日せき」の場合、どんなことが問題となってくるのでしょうか?
(県医師会 感染症対策担当・田山 正伸 医師)
「ひどくて、長くて、子どもにとっては、特に赤ちゃんにとっては怖い病気、死に至るまでの怖い病気」
「重症化して肺炎を起こしたり、中には無呼吸を起こしたり、脳症を起こしたり、入院・ 最悪死亡という大人がかかっても、年長の子どもがかかっても、そこまで重症化はしないが、問題はうつしてしまうということ」
かかった場合の治療法は、どんなものがあるのでしょうか?
(県医師会 感染症対策担当・田山 正伸 医師)
「百日せき菌に有効な、抗生剤マクロライド系の薬があって」
「そういう薬を最低5日間飲むと、ある程度の菌は抑えられる」
「症状を抑える咳止めといった薬も使える」
感染した大人が気づかず、重症化しやすい、特にワクチン接種が終わっていない子どもに広げることが問題ですね。
でもどんな症状が出れば感染を疑えば?
田山医師によると、長引くしつこいせきが続く目安は10日〜2週間。
どんな症状で疑えば?
そして「せきが出始めると止まらない」こんな症状が出れば、医療機関を受診してほしいと話しています。
注意すべきことは?
そして、注意してほしいことが3点。
細菌性なので、季節関係なく1年を通して注意が必要。
風邪やアレルギー症状にも似ているので、区別がつきにくい。
百日せきと診断されるまでに、結果が早くて2〜3日もしくは1週間かかる。
としています。
重症化しやすい子どもにうつさないためにも、もしかしてと思ったら、とにかく医療機関で受診ということです。
(05/09 19:25 四国放送)
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