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スダチの新しいお酒「徳島県ジン」完成! 廃棄される果皮が香りづけ【徳島】(徳島県)



徳島県の名産品を使った、ご当地クラフトジンが5月に完成しました。

果たして、どんな味なんでしょうか。

徳島県の名産品といえば、スダチ。

爽やかな香りと程よい酸味で料理をひきたて、食卓には欠かせない存在です。

そのスダチを使って新たに、お酒のジンを作る取り組みが行われています。

その名も「県ジンプロジェクト」。

全国47都道府県に1つずつ、名産品を使ったオリジナルのクラフトジン「県ジン」を作る取り組みです。

「徳島県ジン」はその第11弾です。

(徳島県ジンを企画・三尾武史さん)
「この一つの商品に対して、いろんな人の思いが詰まっているもの」
「特にその地域の人の思いが詰まっているものを作りたいなと、ずっと思っていて」

「徳島県ジン」を企画する三尾武史さんは、大阪から徳島に移り住んで15年。

卸売り業の傍ら、さらに徳島の魅力を発信したいと「県ジン」プロジェクトに参加しました。

この日、三尾さんが訪れたのは「徳島県ジン」に欠かせないスダチ畑。

こちらの阿南市・西地食品ではスダチの生産加工を行っています。

(徳島県ジンを企画・三尾武史さん)
「スダチの実を使うのか、搾りかすを使うのか、それぞれに良さがあって」
「実の丸ごとの方は甘味もあって、すごい美味しいんですけど、ちょっと甘すぎる」
「搾りかすは香りはすごい強いんですけど、ちょっと苦みがあって飲みにくい」

試行錯誤の末、三尾さんがジンの香りづけに目をつけたのは、廃棄されるスダチの皮。

「あー皮、皮、皮」
「めっちゃ皮です」
「?み締めたら(香りが)出てきますよね」

果汁を絞り終えて残った皮は、その多くがたい肥になるか捨てられます。

三尾さんは、そんなスダチの皮を有効活用しようと考えたのです。

三尾さんは、地域の人とともに6回の試飲会を重ね一、番良い香りがつく方法を探しました。

こうして、苦みのバランス調整をして誕生したのが「徳島県ジン」です。

この日は、出来たばかりの完成品を試飲しました。

初めて飲んだ感想は…。

「ちょっと乾杯して」
「ちょっと割って、そのままだときついので」
「一口だけ」
「爽やかですね、スーッときて」
「味というよりはこう、スダチの香りを」
「スダチの香りが強調されるっていう」

三尾さんも、生産者のお墨付きを貰って一安心です。

(西地食品・吉永昭二 専務)
「これ、スダチの皮を使っているんだ、こういうのがこんな製品になるんだなということで」
「徳島県の県産品であるスダチに、すごく愛着を持ってもらって、広めていきたいと思います」

炭酸で割った徳島県ジンを、記者も試飲させてもらいました。

(記者)
「匂いはスダチのちょっと甘い匂いがします。飲んでみます」
「スキっとした香りが口の中に広がります。甘い部分と少しほろ苦い部分が上手く合わさっていて」
「スダチの良さが詰まっているお酒だなと思います」

「県ジンプロジェクト」で生まれたものは、「ジン」だけではありませんでした。

(徳島県ジンを企画・三尾武史さん)
「人の温かさみたいなのがすごい 。これは都会にはない部分だなあと思って感動して」

スダチ農家を何軒も回る中、様々な人との関わりが生まれました。

(徳島県ジンを企画・三尾武史さん)
「人の協力してくれるやさしさを、すごく再認識できた」
「僕もそういう人たちに、できるだけ恩返しができるように」
「例えば、徳島の県ジンプロジェクトが成功することによって」
「もっと地域に対して、還元する活動とかが出来たらいいなとは思っています」

「徳島県ジン」はクラウドファンディングを通じて5月31日まで、先行予約を受け付けています。

一般の販売は、7月以降に行われる予定です。

プロジェクトの中で、徳島県を背負ったスダチのジン。

興味を持たれた方は一度味わってみてはいかがでしょうか。

(05/15 18:25 四国放送)

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