■「一本打ち終える度に達成感を味わうことができた」パティシエと大工を記者が体験 福島(福島県)
こどもの日のゴジてれChu!は子どもたちのなりたいお仕事に注目します。
ランドセルの素材を手掛ける「クラレ」がこの春小学1年生になった子どもたちに聞いた「なりい職業ランキング」。
男の子は警察官にスポーツ選手、消防・レスキュー隊と並び女の子はケーキ・パン屋、芸能人、保育士と並んでいます。
このうち、男の子のなりたい職業9位にランクインしたのは…「大工・職人」で、過去2年間トップテン外だったお仕事がことしはランクインしました。
そこでゴジてれChu!は女の子の1位となった「パティシエ」のお仕事、男の子で9位となった大工さんに注目し、どんなお仕事なのか体験取材してきました。
福島市の「中野屋菓子舗」。パティシエになって11年の早坂知弥さん(31)。お菓子の専門学校を卒業後、7年間、東京の菓子店で修業してこの店を継ぎました。毎日、朝から10種類の洋菓子を作っているそうです。
■中野屋菓子舗 四代目 早坂 知弥 さん
「力仕事が多いなど、大変こともたくさんあるけど、お客さんに美味しいて言って頂けることがやりがい、生きがいの一つ」
パティシエのお仕事とはどのようなものなのか!?お菓子作りは初めての王記者が体験します。今回、作ってみるのはこちらのデコレーションケーキ。まずは、スポンジ生地を3等分に切る作業。順調そうですが…。
記者「柔らかいので切りづらい。」
先生「そうですね。結構難しいよね」
記者「あ〜」
なんだかちょっとボロボロです。
■中野屋菓子舗 四代目 早坂 知弥 さん
「平行に切っていくのと、スポンジのカスが出ないようにできるだけ大きくナイフを動かしてあげる」
ふわっふわのスポンジをきれいに切るためには、絶妙な力加減と道具の動かし方にコツがいるんだそうです。続いては、スポンジに生クリームを塗る作業。
■中野屋菓子舗 四代目 早坂 知弥 さん
「こういう風にどんどん外側に上下上下に(広げる)作業を繰り返す。最後にならしてあげる。」
ところが、これを王記者がやると…。
「難しいですよね?」「難しいですね」
頭では分かっていても、そう簡単に手は動きません。
■中野屋菓子舗 四代目 早坂 知弥 さん
「僕も最初は不器用だったので、全然うまくできなかった」
早坂さんだって、たくさん練習をしたからこそできる技なんです。ちなみに、作業を手際よくこなすスピードもパティシエのお仕事には欠かせません。クリスマスシーズンには1日400個もケーキを作るといいますから、体力も必要ですね。
■中野屋菓子舗 四代目 早坂 知弥 さん
「ここからはセンスが問われるので自由にやってください」
最後は「センス」が大事というデコレーション。見た目を楽しんでもらうのも、パティシエの腕の見せ所です。
■中野屋菓子舗 四代目 早坂 知弥 さん
「ここが一番楽しくないですか?」
記者「楽しいですね」
お客さんの喜ぶ姿を想像し…無事ケーキが完成しました。
■王国屹記者リポート
「とても難しかったけど、完成するにつれて、ワクワク感が増して、とても楽しかった」
もちろん、技術は後からついてくるもの。大事なのは「お菓子作りを楽しむ気持ち」です。
■中野屋菓子舗 四代目 早坂 知弥 さん
「楽しい気持ちを忘れずにお菓子作りをしていればパティシエになれると思うので」「子どもの時の気持ちのままで大人になってもらって、皆さんパティシエになって欲しい」
続いては…男の子のなりたい職業9位!「大工」のお仕事。いわき市の小森工務店さんに協力をいただきました。
■ビス止め
「ええ、難しい」
「ビス止め」というネジで木材を固定する作業に苦戦するのは、「図工」は苦手だったという平瀬記者。
平瀬「ネジ一本打つのも難しいですね」
大工「慣れだね慣れ」
道具を使えば簡単そうに見えるかもしれませんが、その道具を使いこなせて初めて「プロ」。この道40年のベテラン大工と平瀬記者とでは、スピードの差は一目瞭然です。道具といえば、この「鉋がけ」。凹凸のある木材を削って加工しやすくするために使う道具です。スルスル〜と気持ちよく木が削られていますが、これも、ベテランの技。平瀬記者がやると…もはや、削れているのでしょうか…。
大工さん「まだ50点ぐらいだね」平瀬「全然違いますね…」
プロが削ると形も薄さも均一です。負けず嫌いな平瀬記者。何度も練習をして…
大工さん「まーだまだだね。まあ70点くらいか」
大工さんが作るのは人が長い時間をかけて住む大切な家。少しのずれやミスは許されません。
大工さん「下は下の隅にあわせてもらって」
平瀬「あ、じゃあずれていますね」
木材一つはめるのにも設計や計算通りにしなければならない細かい作業が求められます。ただ、大変なお仕事だからこそやりがいも大きいのです。
平瀬「やりがいは?」
大工「やっぱり出来上がるとき。お客さんに喜んでもらったとき」
大工のお仕事、体験した感想は?
■平瀬記者
「ネジ一本を打つにしても、一本打ち終える度に達成感を味わうことができたので、そういうところも大工の魅力というか、職人さんのやりがいにも繋がってくるのかなと感じました」
■小森工務店 小森測 社長
「モノをつくるって凄い楽しいことだし、暮らしと直結しているので、大工さんじゃなくても、何かをつくるという作業がちょっとでも身近になってくれれば嬉しいなと思います」
誰かを笑顔にする、誰かの助けや役に立つ。どんなお仕事も素敵なものです。今回取材にご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。
改めて新1年生のなりたい職業をみてみましょう。男の子のなりたい「スポーツ選手」ですが内訳で見ると、サッカー選手がダントツのようなんですが野球選手になりたいという子が過去15年間で最も多かったそうなんです。世界で活躍する「大谷選手」の影響もあるのかもしれません。5位のユーチューバーは、5年間連続でトップテン入りしています。
女の子のなりたい「ケーキ屋・パン屋」ですが27年連続、不動の1位のようです。
「なりたい職業」というのは、子どもたちもその職業を見たり、絵本とかで知ったりして、「なりたい」という憧れになると思うんですが、「大工・職人」のきっかけについて、3年ぶりにトップテン入りしたということで、その理由を調査を
行ったクラレに話を聞きました。推測もあり理由もさまざまということでしたが、1つにゲームの影響があるとしています。「マインクラフト」というさいころ型のブロックを組み合わせて独自の世界観を作るゲームというのが小学生に高い人気があるようで、これがきっかけになっているのでは?ということでした。
「モノづくり」というのはきっかけがゲームだとしても大工や職人といったリアルなモノづくりのお仕事に興味関心が向いているようです。
(05/05 18:40 福島中央テレビ)
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