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「実家に戻って…新幹線通学に決めた」若者流出阻止!西郷村が定期代3万円を補助・福島(福島県)



若者の県外流出が課題となる中、西郷村では2025年度から学生を対象としたある支援が始まっています。

日本で唯一、新幹線がとまる“村”の西郷村。
東北新幹線を使うと東京駅まで約80分で行くことができます。
交通の便の良さから大手企業の工場なども進出し、震災と原発事故の後も人口が増え続けています。

ただ、そんな村でも、課題となっているのが「若者の流出」です。
進学や就職で約半数の若者が村の“外”に出ていっているとみられ、現在2万1千人ほどの人口も2060年には1万6千人を下回ると予想されています。

この待ったなしの課題に対応するため、村は今年度からある取り組みを始めました。

午前8時前新白河駅には会社や学校へ向かう人たちの姿が…
その1人、吉田千春さんは大学2年生の19歳です。

■西郷村 吉田 千春さん(19)
「これから仙台大学まで通います。仙台まで新幹線で行って仙台から乗り換えて…」

西郷村の自宅から新幹線と在来線を乗り継ぎ、2時間ほどかけて宮城県内の大学に通う吉田さん。
新白河駅と仙台駅の間は通学定期で月9万円ほどかかりますが、村はこのうち3万円を補助する制度を始めたのです。

■西郷村 吉田 千春さん(19)
「もともと大学の近くで1人暮らしをしていたが、2025年から西郷村から補助金がいただけるということで。実家に帰って、新幹線通学を決めました」

この制度は、村で暮らしながら新幹線で県外の大学や専門学校などに通う学生に対し、通学定期代のうち3万円を補助するもので、対象となるのは仙台駅のほか、東京駅や大宮駅などです。

吉田さんも大学1年の時は宮城県内にアパートを借りて通学していましたが、2025年4月からこの補助金を使い、自宅から新幹線で通っています。

■西郷村 吉田 千春さん(19)
「1人暮らしと通学費が同じくらいになったので、実家から通うことにメリットを感じて、通学することを決めた。地元が好きだったので、生まれ育った地元から通える安心感と家族と会える時間を作れるのが一番メリットだと思います」

新幹線通学に対する補助制度を導入するのは県内の自治体では初めてで、大宮駅や小山駅を使い通う学生からも申請があったそうです。

■西郷村 企画政策係 柾木 一也さん
「進学のために一度、村を離れることが当たり前となっているが、西郷村の特色でもある村の中に新幹線が停車する駅がある日本で唯一の村という強みを生かして」

村から大学などに通ってもらうことで、若者の地元定着を図り、将来、地元で就職することも選択肢に入れてもらう狙いがあるといいます。

■西郷村 企画政策係 柾木 一也さん
「西郷村で生活しながら都市部の大学や専門学校に通うことで村の魅力を再発見してもらって。将来の進路を考える際には地元に戻って就職をすることも選択肢の一つとして意識して考えてもらえれば」

各地で若者の県外流出が課題となるなかで、西郷村の新たな取り組みに注目が集まりそうです。

(05/07 17:19 福島中央テレビ)

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