■"令和のコメ騒動"が秋田の日本酒造りにも影響…秋田県酒造組合 酒米生産者への支援などを鈴木知事に要望(秋田県)
コメ不足が秋田の日本酒造りに大きな影響を与えています。
酒米は、粒を大きく育てるなど、手間やコストがかかるため、これまでは比較的高値で取り引きされていましたが、コメ不足による価格上昇で、現在、主食用米の方がより高値で取り引きされています。
県内33の酒蔵で作る秋田県酒造組合は「原料である酒米の確保が難しく、製造や経営が危機的な状況にある」として、激変緩和措置を講ずるよう、鈴木知事に要望書を手渡しました。
鈴木知事のもとに陳情に訪れたのは、秋田県酒造組合の伊藤康朗会長など5人です。
伊藤康朗 会長
「原料である加工米・自主流通米、酒造好適米、いわゆる酒米です。こちらの方にもかなりの影響が出てきておりまして、正直、危機的な状況というよりかは、絶望的な状況になってきております」
「原価における原料米の割合がかなりを占めています。かなりというかほとんどと言っていいと思います」
伊藤会長は、冒頭、こう述べた上で「今年は酒米が60キロ当たりで今よりもさらに1万円値上げすることが予想されている」「これを製品価格に転嫁することは困難」として、対策として、酒米生産者への支援や、仕入れる酒米の値上がり分の一部補助といった、激変緩和措置を講ずるよう、鈴木知事に要望しました。
これに対し、鈴木知事は、酒造組合が用意したシミュレーション結果などに目を通しながら、支援を検討すると述べました。
鈴木 知事
「日本酒は言うまでもなく、秋田県の非常に大事な文化でもありますし、私も1人の愛好家としてこの文化をなんとかして守っていかないといけない」
「このあと、どういったことができるのか、この場で私はそんなに気前のいいことを言うことはできないんですけど、 非常に業界の皆さんの切迫感、危機感というのは伝わってまいりましたので、いかなる支援ができるのかどうか、検討をさせていただきたいなと思っております」
知事との面会後、伊藤会長は「特に県内はコメ生産の担い手不足が深刻で、中長期的にはコメを秋田以外から調達して日本酒を製造する可能性」に言及しました。
伊藤 会長
「秋田の場合は特に(酒米づくりの)後継者、人の問題というのも非常に多く、いろいろな可能性を含めてどこから調達するかということも含めて考えたいと思います。 本当にこんなことを言うのは、秋田県の農家の方に失礼かも分からないですが、本当にものがなければ、県外からでも入れなければいけない。ともすると、例えばほかの業界であれば、海外からコメを入れてでもやらなければいけないという、そのぐらい切羽詰まった状況になっているのではないかと思います」
収穫量が全国3位を誇る米どころ秋田でも広がる「令和のコメ騒動」。
記録的な価格高騰とコメ不足が、美酒王国を掲げる県内の日本酒造りにも大きな影響を与えています。
(05/07 18:18 秋田放送)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)