■【古きを学ぶ】木彫り魚の名人が開設 古道具を集めた「懐古小屋」オープン 岩手・野田村(岩手県)
古い道具を通して先人の知恵を今に伝えようと、いまではあまり見かけない、昔の生活用具などを集めた施設が5月2日、岩手県野田村にオープンしました。
野田村の和野平地区にオープンしたのは、以前、糸を取るために飼っていた蚕の小屋を改修した、その名も「懐古小屋」です。
中には、明治時代から現代にいたるまで実際に使われていた生活用具や大工道具、農機具など300点以上が展示されています。
こちらの道具は背中あて。いまで言うリュックサックにあたるもので、物を入れて背負うほか、休憩する際には座布団代わりにしたそうです。ほかにも、部屋で暖を取ったり、食べ物を煮炊きする際に使ったりした囲炉裏や、中に炭を入れて使うアイロン、年期の入ったミシンなど、様々な道具が展示されています。
「懐古小屋」を企画した深渡栄一さん。深渡さんは海の男として漁に出るかたわら、海に生きる魚たちを題材に躍動感あふれる木彫りの作品を作り続けていることでも知られています。
今回は、家の建て替えなどで廃棄される古い道具がもったいないと、知人の協力を得ながら収集し、展示に至ったといいます。
深渡栄一さん
「古いものを残そうよと。新しい家を新築すれば、古いものは全部捨てられるし。それを少しでも、捨てるものをいただいてきて、手をかけて磨いたり錆を落としたりして、ここも当然ね、小屋も古いですから」
年配の方には昔懐かしい、そして若い人には新鮮に映る「懐古小屋」。来場者の感想は…。
深渡栄一さん
「わたしたちと同年代、先輩の方々。いや懐かしい子どもの頃じいちゃんと一緒に山にいったな、飯ごうに飯もってな。懐かしいな。よくこれが残ってたよな。若い方、子どもたちは面白いんですよ。ねーねーこれ何に使うの、これなんなの?実は昔こういう風にして使ったんだよと言えば、そうか昔の人はそんんだと言えば、むしろ喜びますよね」
昔の道具を通して生活の知恵を今に伝える「懐古小屋」。深渡さんは、今後も古い道具を集めながら、先人の暮らしぶりを次の世代に伝えていくことにしています。
(05/08 18:18 テレビ岩手)
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