■100人以上に「なりすました」女子中学生 計18万円被害"重大事態"の問題点は(熊本県)
13日に熊本市教委に報告された「同級生を精神的に支配」したとみられるいじめの重大事態。その問題点を探ります。
おととし、熊本市内の当時中学3年の女子生徒が、同級生の女子生徒2人から計約18万円をだまし取りました。いじめの「重大事態」と判断した熊本市。第三者委員会の調査で明らかになったのは…。
■第三者委員会・黒山竜太委員長(熊大大学院教育学研究科 准教授)
「主にSNSの機能を使って100名以上の架空人物を作り出して精神的に支配するようなやりとりに発展させていました」
生徒はSNSを使って100人以上の架空の人物になりすまし、2人に金銭を要求していたといいます。「友達をつなぎとめておきたかった」という趣旨の発言をしたという生徒。第三者委員会は「被害生徒たちを長い期間かけて精神的に支配していたことが推認される」としています。この事案について、こども政策などの専門家は…。
■日本大学・末冨 芳教授(こども政策などが専門)
「SNSで架空の人物になりきっている人物がかなり多いということで、非常に特殊な事例だという風に捉えています」
文部科学省でも、こうしたいじめは「あまり聞いたことがない」といいます。末冨教授は今回の事案を通して「子どものSNS利用のあり方」と「同級生から金をせしめる行為」それぞれの対応を家族で確認すべきだとしています。
■日本大学・末冨 芳教授
「願わくば子どもだけではなく、保護者を含めてSNS利用やトラブルのあり方を学ぶというのを(国が)多くの方に保証するのが必要だと考えています。見慣れないもの、新しいものを買っているんだろうという違和感を覚えた時に(保護者が)一人で抱え込まずに、早く(学校などに)相談することがとても大切だと思います」
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
SNSで架空の人物になりすました今回の事案。第三者委員会の報告書は、現状、公開されていません。日本大学の末冨 芳教授は「極めて特殊な事例なので、第三者委員会の報告書を非公開にすると、類似の事案が起きたときに誰も対処できない社会ができあがってしまう。研究機関や医療機関など限定的に公開して、フィードバックを受けた方がいい」としています。
熊本市教委では「関係者の意向を確認して、公開すべきかを判断する」としています。
(05/14 19:25 熊本県民テレビ)
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