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コメだけじゃない!卵にも値上げの波「なぜ?」客も店も苦悩(熊本県)



連日、コメの価格高騰が注目されていますが、食卓に欠かせない「卵」にも値上げの波が押し寄せています。卵がなぜ値上がりしているのか?そしてこの価格はいつまで続くのでしょうか?


12日、熊本市のスーパーを訪れると、買い物客が集まっていたのは、売り場です。月に一度の特売日。開店直後からにぎわっています。最近の卵の値段について聞いてみると。

■買い物客(70代)
「すごく高くなっている。でも食べたいし…なくてはならない。ないと困りますもんね」

■買い物客(60代)
「年金暮らしだから少しでも安いのをと探しています」

■買い物客(70代)
「以前は安かったけど、いまは仕方がないですもんね」

価格が安定していることで「物価の優等生」と呼ばれてきた卵に、いま何が起きているのでしょうか?
家計に優しい価格が売りの熊本市のスーパーで、月に一度の卵の特売日。通常は1パック270円のところ、215円で販売していました。

■買い物客(60代)
「“今回は”安いです。ちょうど休みだったので『この日に行ってきて』と娘たちに言われてきました」


■買い物客(40代)
「卵は好きで毎日食べているので安い方がうれしいです」


価格変動が少ないはずの卵の値上げが止まりません。JA全農たまごによりますとMサイズの卸売価格は福岡で1キロあたり340円と去年より146円高くなっています。こちらの店でも、販売価格を去年より55円ほど上げざるを得ない状況で、特売日の設定は苦しいようですが…。


■みやはらZ南熊本店・橋本憲明店長
「ちょっとやれるかなと少し悩んだんですけど今回がんばってやっています。いろいろなものが値上がりをしていますけど月に一回なのでお客さんに楽しんでいただければと思っていますので(特売の価格は)もう見ないふりしています!」

どうして卵の高値が続くのか。流通や消費の調査分析を行う地方経済総合研究所に聞きました。


■地方経済総合研究所・嶋田英岳さん
「大きなところはエサ代、飼料価格の高騰が大きな要因のひとつにあげられる」


農林水産省によりますと、鶏卵にかかる経営コストの約半分をエサ代が占めています。日本では畜産における飼料の8割を輸入に頼る中、トリのエサとなるトウモロコシや大豆などは世界的に価格が上昇しています。これに、ガソリン代など輸送コストの増加のほか、相次ぐ鳥インフルエンザによる生産量の減少が卵の値上がりに追い打ちをかけているとみられています。


菊陽町のケーキ店。注文を受けて作る似顔絵ケーキの専門店です。こだわりのフランス産ジャムと天然色素で色付けしたケーキが人気です。卵の値上げの波はここでも…。

■パティスリーぴかっそ・光澤賢祐店長
「(卵の仕入れ価格は)年末年始に上がってそこから落ちるんですけど、落ちずに上がっている」


こちらの店で仕入れている1ケース10キロ入りの卵は、数年前まで2000円代だったものが最近は高い時で4000円ほどに。生クリームや輸入食品の値上がりも続く中、ケーキの販売価格も値上げを検討せざるを得ないといいます。


■パティスリーぴかっそ・光澤賢祐店長
「うちはリピーターさんがほぼなので(販売価格を)上げにくいというのはあります。地味に効いてくる感じでこのまま夏、秋と(卵の値段が)下がらなければ(ケーキの)値上げも考えようかと」

わたしたちの生活全体に大きな影を落とす卵の値上がり。いったいいつまで続くのでしょうか?

■地方経済総合研究所・嶋田英岳さん
「トランプ関税など世界的不確実な情勢もあり、卵の価格は他の食料品と同様今後短期間での大幅な値下がりは期待しにくいと考えられます」

収束の見通しは立っていません。


(05/13 20:12 熊本県民テレビ)

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