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9万年前の噴火でできた岩「馬門石」科学部の高校生たちが調査(熊本県)



約1500年前の古墳時代、宇土市でとれた石が全国の豪族の墓で棺として使われていました。その石の謎に高校生たちが迫ります。


12日、宇土市にある工事現場に集まった宇土高校科学部の生徒たち。“ある石”の調査にやってきました。調査するのは馬門石。宇土市網津町馬門地区周辺で採集される石材です。馬門石は約9万年前の阿蘇の噴火で流れ出た火砕流が固まってできた凝灰岩です。


赤みを帯びているのが特徴で、色の珍しさや加工のしやすさから約1500年前の古墳時代、日本各地に運ばれ豪族の埋葬にも使われていました。宇土市内では、江戸時代に馬門石で造られた鳥居や石橋が今も残っています。しかし、赤みを帯びている理由はまだはっきりと解明されていません。宇土高校科学部の生徒たちは馬門石の分布を調査するために、工事で削られた壁面を観察しました。


■宇土高校・本多栄喜先生
「どこに赤があるかどんなふうに分布していますか」

地層を観察してみると赤みが強い部分と茶色の層が隣り合わせになっています。今まで色の変化には温度が関係していると考えられていましたが、今回の調査では赤い部分や赤くない部分が隣り合っていたことから温度以外にも要因がある可能性があります。今回だけでは赤色の謎を解明することはできませんでしたが、宇土高校科学部ではさらに調査を続けるということです。


■宇土高校3年・吉田大暉さん
「馬門石は地学として大々的に取り上げられています。しかしどうやって使われてきたかをみると考古学幅広い分野で研究ができる題材として馬門石はとても面白いと思うので、いろんな人にも馬門石に興味を持ってほしい」


(05/12 19:30 熊本県民テレビ)

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