■「地獄のどん底に突き落とされた」ハンセン病 元患者男性が大学で講演(熊本県)
国のハンセン病強制隔離政策を憲法違反とした熊本地裁判決から11日で24年を迎えました。この裁判の原告で鹿児島県に住む元患者の男性が熊本大学を訪れ「ハンセン病問題は終わっていない」と語りました。
熊本大学で講義を行ったのは、鹿児島県の国立ハンセン病療養所星塚敬愛園の元入所者、竪山勲さん(76)です。
■ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会 事務局長・竪山勲さん
「我が国が作った法律によって、私たちハンセン病元患者たちは、あるいは家族たちは地獄のどん底に突き落とされたんですよ」
法学部の学生や大学院生に伝えたのは、自分と家族が受けた差別や偏見の根深さです。全国の国立ハンセン病療養所では、亡くなった入所者の6割以上が家族に遺骨を引き取られることもなく、未だに故郷に帰れない現実があるとして、療養所は「出口がない場所」だと語りました。
■竪山勲さん
「まだまだハンセン病問題は終わってないんだなということを知っていただきたい、そう思うんです」
講義を聞いた学生は…
■講義を聞いた学生
「すごく痛ましい気持ちが強いです。葬儀場とか納骨堂までが院内(療養所内)にあるっていうのが印象に残ったことでした」
「どれだけ差別されてきたかそういうのを直にお話していただくことができて、私ができることって何だろうって考えさせられました」
2001年5月11日に熊本地裁が国の強制隔離政策を憲法違反だと初めて断罪した裁判で原告の1人だった竪山さん。講演の後、原告としてともに戦い、5月1日に92歳で亡くなった菊池恵楓園の志村康さんについて兄弟同然だったと話しました。
■竪山勲さん
「志村と二人で二人三脚で国賠訴訟を闘ってきたんですよね。いつも彼と私は隣にいるんですよ。志村だったらこんなこと言うんだろうな、志村だったらこうするだろうなっていう思いでね、いつも生きてきたですね。だから今から先も彼と一緒に生きていくんだろう。そう思います」
(05/12 19:21 熊本県民テレビ)
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