2010年4月11日() 放送

切らずに治す
〜最先端の放射線治療〜

 日本人の3大死因とされているのが心疾患、脳血管疾患、そしてがんです。青森県はがんの死亡率が全国ワースト1位。がん対策は青森県が取り組まなければならない重要課題です。
 今日の活彩あおもりは青森県立中央病院で取り組んでいる最新のがん医療をご紹介します。

 現在日本では国民の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなっています。人口10万人当たりの年間死亡数を見ると、がんの死亡数は年々増加しています。中でも青森県はがんの死亡率が全国でワースト1位。対策が急がれています。

 現状の打開に向け、青森県立中央病院では2008年4月にがん治療を担う関係科の連携組織である「がん診療センター」を開設しました。
 これまではがん患者を対象臓器によって様々な診療科に振り分けていましたが、相談窓口を一本化し、病棟を効率的に再編。最良の治療方針と患者の病態にあった治療やケアを効率的に提供しています。
 また都道府県がん診療連携拠点病院として他の病院との連携を深め、一帯となってがん対策に取り組んでいます。

 がん治療において、放射線治療を受ける患者数が増えています。元々、喉頭がんや子宮がんの治療で放射線が使われていましたが、切らずに治すことができる放射線治療は患者さんの肉体的・精神的負担を減らすことができ、高齢社会の今、注目を集めています。
 青森県立中央病院では最新の放射線治療装置「リニアック」の導入と医学物理士の就任により、最先端のIMRT(強度変調放射線治療)を行うことができるようになりました。

 国内トップクラスの性能を誇るリニアックを青森県立中央病院では4月から2台体制で稼動させ、IMRTを開始しました。これにより、今まで仙台や東京に行かないと受けられなかった最先端治療を青森市で受けられることになりました。
 放射線のスペシャリスト「医学物理士」はリニアックの能力を発揮させる仕事をします。

 IMRTはまず医師による診察・診断を経て、治療計画を作成。線量検証を行ったうえで実際の治療が始まります。

【治療の流れ】
 医師の診断の結果、放射線治療を行うことが決まると実際の治療計画を作ります。
 次は線量検証です。的確な部分に必要な量の放射線を照射できているかを治療の前に機械を使って検証します。前立腺がんの場合、5方向ないし7方向から放射線を照射します。この線量検証が終わると患者への治療が始まります。

 毎回、治療の度に患者の体の位置がずれると、治療計画通りに放射線を照射できません。そこでまず体の位置がずれていないか、CTを使って検証します。
 体が正確な位置にあることを確認したうえで、放射線を照射します。

 高度な放射線治療を行うには高い技術を持った専任スタッフの存在が不可欠です。放射線治療は放射線腫瘍医・医学物理士・治療担当技師・看護師がチームで取り組む必要があります。しかし放射線腫瘍医は全国でもおよそ600人、現場で働く医学物理士はおよそ200人と、その数は限られています。しかし青森県立中央病院では2名の放射線腫瘍医と医学物理士1名、放射線治療専任技師6名を配置しています。
 がん死亡率ワースト1位という汚名を返上するため、県民の命を守るために青森県立中央病院は地域の病院と一丸となってがんと戦っていきます。



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