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2021.3.11

毎年、特別な思いを寄せる日、特に、東北の皆さんはそうですよね。3月11日。あれから10年になります。あの日、私は仕事で日テレにいました。「ズームイン!!SUPER」が終わるため、最後の会議でした。あんな恐怖を感じる揺れを初めて経験しました。会議中に机の下にもぐるという行動を訓練以外でしたのも初めてでした。いったいどこでどんな大地震が起きたのだろう。東京なのだろうか?揺れは1分以上続きました。誰かが「東北だ!震源地は東北だ!」と叫びました。体が震えました。電話はつながらず、会議は中止。その後、青森の様子がやっと少しだけわかりました。すぐに戻りたかった。青森の人、東北の人はどんな思いをしているのか。早く戻ってやれることをやらないと。しかし、交通網は麻痺。すぐには戻ることが出来ず、一晩中、ニュースを見ながらどんどん不安になっていったことを今でも思い出します。次の日の夕方になんとか青森に戻り、その次の日は八戸へ。館花漁港に船がうちあっがている恐ろしい光景。そんな中、家の中を片づけながらお話をしてくださった方々は「命があってよかった。でも、これからどうしよう」口々におっしゃっていました。特に被害がひどかった県南地区。そのうちの一つ、八戸市にある「浜市川保育園」でズームインの最終回の中継が決まりました。津波被害を受けた保育園です。あの日は、次の日の卒園式を前に準備をしていたそうです。当時の園長、石田良二さん(現・理事長)は、まず子供たちのことを考え、先生方と一緒にすぐそばの小学校に避難させたそうです。しかし、園長は一度保育園に戻り、その時に津波に巻き込まれました。かなり高い波に体を持ち上げられ、ケガは負いましたが助かりました。もちろん、卒園式は延期。石田さんは「とにかく、子どもたちが全員無事でよかった。」と、当時お話を伺ったときにおっしゃいました。先生方も園児の皆さんもケガはなかったそうです。本当に本当に良かったです。
現・園長の尾崎さんにお話を伺いました。「あの日2時46分が過ぎてからもずっと揺れていた。保護者の皆さんが園児をお迎えに来ても、海の方のお家には帰らないでちゃんと避難所に行ってくださいね」とみなさんにお声がけされたそうです。そして、毎年、この日に園では防災訓練を行っています。今の子どもたちは、震災を知らないので「あの時保育園はお水をいっぱいかぶって大変だったんだよ」と当時のお話をしたあと、防災の紙芝居の読み聞かせを今日もしたそうです。尾崎園長は「いかに、安全に素早く子どもたちを避難させるか常に考えてブラッシュアップしています。頭で考えていても体を実際に動かさないと出来ないと思います」と言います。本当に大事なことです。10年間毎年続けている浜市川保育園のみなさん、尊敬しますし、学ばせていただいてます。改めて、みなさん、忘れないようにしましょう。そして、油断しないようにしましょう。逃げることは、決して恥ずかしいことではありません。自分だけは大丈夫などと、絶対に思わないでください。災害には日ごろから備えましょう。もちろん、二度と災害は起きてほしくありませんが備えは大事です。
熱心に訓練を続けている当時の浜市川保育園と当時の先生方です。また、ゆっくりお話を伺えるといいなと思っています。

※許可をいただいて写真を掲載させていただいています。
保育園.JPG先生方と.JPG
朝早くから大変な中、快く中継にご協力いただいた浜市川保育園のみなさま、改めてありがとうございました。

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